光学部品の洗浄について知っておきたい基礎知識

レンズやミラーは、副次的な現象を抑える為に、表面処理がなされています。レンズ洗浄の際には、ブロアで表面のゴミを取り除くという方法が最も良い方法です。その他の方法としては、レンズクリーナーやイソプロピルアルコールを利用する方法もあります。

光学部品は大変デリケートなものです。それは、本来の機能を十分に発揮するために表面に様々なコーティングがなされている場合があるからです。

洗浄を行う際には、表面のコーティングを傷めないようにすることが大切です。そのためには、なるべく表面に影響を与えないような方法を行うことが大切になってきます。そのような十分に気を付けたメインテナンスを行えば、長期間の使用に耐えることになります。

光学部品の洗浄に関する基礎知識

光学部品には先ほども述べたように、表面にデリケートなコーティングがなされています。このコーティングを痛めてしまうと、性能が落ちるというだけではなく副次的な現象を引き起こしてしまう可能性が出てきます。そのために光学部品の洗浄を行う際には、表面のコーティングに影響を与えないようにするということが最重要課題となります。

そのようなことから、光学部品の表面につく汚れについての知識を持っておくことが大切です。なぜならば、汚れの原因それぞれについて効果的に取り除く方法があるからです。間違った方法で処置を行えば、逆に表面を痛めてしまうことになります。単に機能が低下するというだけでなく、予想しなかった副次的な現象が生じてしまう可能性があります。このようなことに対応するためには、先ほども述べたように、現在自分が使用している環境においてどのような原因によって汚染が生じるかということを知っておく必要があります。この知識があれば、表面コートを乱すことなく汚れを効果的に取り除くことが可能となってきますので、このことは非常に大切なことです。

よく知られている光学部品の汚れの原因として、埃の付着と手の皮脂があります。埃は、使用している環境中を漂っていた微粒子などが表面についたものです。場合によっては、大変硬い粒子であったりすることがありますので、もし間違ってこれを表面上でこすってしまったら、コートに傷をつけてしまうことになります。また、光学部品は多くの場合手を使って作業することがありますので、手の皮脂が表面についてしまうことがあります。このような際には、皮脂を取り除き表面に影響を与えない専用の薬剤などを使用する必要があります。

光学部品の洗浄方法とは?

光学部品の洗浄の際、間違った処置を行うと、表面コートを破損してしまう可能性が出てきます。まずはどのような汚染があるかということをはっきりさせ、それに対応した処置を行うことが大変重要です。

光学部品表面につく汚れの1つとして、先ほども挙げたほこりがあります。多くの場合、ほこりは環境中に漂っていた様々な固体微粒子が光学部品の表面に物理的に付着したものです。このような場合には、可能な限り化学薬品などは使わないということが大切になってきます。なぜならば、物理吸着を行った微粒子に対しては化学薬品を使っても効果的にそれを取り除くことにはならないからです。また、使用する化学薬品の中に別の汚染物質が含まれている可能性もあります。汚染を除去するどころか新たな汚染を加えてしまうことになってしまいます。このようなことから、ほこりなどの場合には可能な限り物理的な方法でその排除を行うことが大切です。ただ、綿棒などを使ってこすり取るというような方法は行なってはいけません。綿棒など外部から力を加える作用があるものを使用すると、もしほこりが硬い微粒子であった場合には表面コートに傷をつけてしまうことになります。そのようなことから推奨される方法としては、埃をブログなどで吹き飛ばすということです。

表面を汚染する別の原因として、手などに由来する皮脂が付着した場合があります。このような疎水性物質を取り除く際には、イソプロピルアルコールなどが用いられます。ただその純度には十分に気をつけてください。加える薬剤に汚染があると、逆に表面に汚染物質をより付着させてしまうことになるからです。通常は、イソプロピルアルコールを使って洗浄し、専用のレンズクリーナー表面にのせ軽く拭き取るという方法が行われます。

光学部品の洗浄する際の作業手順

ここでは実際に、レンズ洗浄などの光学部品洗浄する際の手順について述べて行きます。先ほども述べたように、光学部品の洗浄の際に重要なことは、どのような汚染を取り除くかということをあらかじめ明らかにしておくことです。そのためには、光学部品の汚染状況をよく観察することが大切になってきます。これには十分な時間をかけ、検討を行うことが大切です。これも先ほど述べたことですが、ここでもし間違って、汚染物質除去に効果的ではない方法をとってしまうと、逆にそれまでには無かった汚染を加えてしまう危険性があります。

まず、埃などが表面に付着したレンズ洗浄のような場合を考えてみましょう。このような際には、可能な限り物理的な方法でその除去を行うようにします。やり方としてもいくつかありますが、まずやるべきこととしては表面に最も影響を与えない方法で試してみるということです。そのような方法として、清浄な空気をブロアなどで吹き付けて光学部品表面のほこりを吹き飛ばすということを試します。多くの場合において、軽くブロアで風を吹き込んだだけでかなりのほこりを取り除く事ができます。表面に与える影響が最も小さな方法ですので、まずこの方法を試してみるべき方法です。

次に、手の皮脂などが表面についた光学部品の洗浄の手続きについて考えましょう。この場合には、清浄なイソプロピルアルコールなどを染み込ませたレンズクリーナーで軽く表面を拭うということを行います。その際注意すべきこととして、目では見えない大きさのほこりなどが表面に付いていることもありますので、力をかけて拭うということはしてはいけません。イソプロピルアルコールを浸したレンズクリーナーを面にのせ、横に引くというようなことを行います。

光学部品を洗浄する際に必要なもの

ここまで述べてきたように、レンズ洗浄などの光学部品製造を行う際には、その汚染原因となっていることを十分に明らかにする必要があります。そのことにより、最も適した方法で汚染除去を行うことが可能となります。汚染除去の際に使用するものは、これまで述べてきたように汚染原因によって異なってきます。それらの多くは、清浄であるということが大変重要となってきます。なぜならば、洗浄を行う者自体に汚染があっては、決して光学部品洗浄はできないからです。利用するものが汚染していると、逆に表面に新たな汚染を生み出すことになります。

まず、ほこりなどの表面に物理的に付着した微粒子の除去の際に必要なものについて述べます。除去方法でも述べたように、この際に必要なものは清浄な空気を送り込むブロアです。多くの場合、軽く風を送るだけでおよそのほこりは吹き飛ばすことができますので、強い風を送る必要はないです。また場合によっては、メガネなどを拭くレンズクリーナーなどを利用する場合もあります。しかし、精密な光学部品の際にはあまりお勧めできません。なぜならば、多くの場合眼鏡を拭き取る際に指で力を加えてしまうからです。

皮脂などの除去を行う際には、清浄なイソプロピルアルコールを用いるというのが普通です。イソピルプロアルコールには疎水性の物質を溶解する性能があり、かつ他の物質に対して影響を与える可能性が極めて低いものです。また、皮脂汚れの除去の際には、イソプロピルアルコールを染み込ませるものとしてレンズクリーナーを利用する場合があります。レンズクリーナーの使用の際は、レンズ表面に力がかからないように処置をする事が必要です。

ここまで述べてきたように、レンズ洗浄などのような光学部品洗浄の際には、その原因となる汚染物質の特定が大変大切です。そのことにより、光学部品表面を汚染している物質を効果的に、かつ部品表面を傷めることなく除去することが可能となります。